第6章うp
これで少年編は最後です\(^o^)/
次からはヤングアダルト編になり、 チーム結成エピソードや
嫁とのあれこれになるのですが、とりあえずいったん休憩しますーw
MADもやりたいし・・・(というか全21章は自分には果てしなさ過ぎて←)
いや、そもそも最初は嫁とのイチャイチャする(してない←)話が好きすぎて
自分用に訳したくなったのが発端だったんですが。。orz
ごめんなさい。
興味のある方は、リンク先のサイトもぜひみてください。
では少年編ラスト行きますー。
(いつか続きも訳せるといいな^^)
海外バーダック小説ご紹介 【Bardock story】
-----------------------------------------------
【諸注意】
・腐でもR18でもありません・・・と思う ・【重要】人物は完全作者オリジナルとお考えください。性格違うしw ・全部で、バダ誕生からラディッツ誕生まで21章あります。 その中で、とりあえず少年時代編(1~6章)は順次ご紹介できると思います ・オリジナルキャラがたくさん登場します バダの両親やその知人、友人 (なお作中、プラントー医師は最終決戦に出ていた老医師です) ・「Bardock story」の続編「Their story」あり ・【重要】作者様が最初に発表されたのが2012年なので、嫁はギネではありません (でも訳が嫁の登場する後半までいくかどうかわかりませんが><;) ・作品の雰囲気重視なので結構訳違ってたりするかも・・・してる・・・
以上おkの方のみ、お進みください>< ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
↓
・第1章はコチラです→→ 「海外バーダック小説ご紹介 【Bardock story】Chapter1」
-----------------------------------------------
Bardock story (Fanfictionより)
https://www.fanfiction.net/s/7705762/5/Bardock-s-story
By: ravenclaw-scorceress29
Published: Jan 4, 2012
6.バーダックの痛み
自分たち民族の優れた仲間であったマトリカが、本来彼女を守るべき人間によって殺されてしまった事は彼女を知るサイヤ人達の非常に激しい怒りをもたらした。ボーゼックは、マトリカをメディカルセンターに運び込んで以来惑星ベジータのどこからも姿を消したが、それはかえって良かった。
サイヤ人の多くは、ボーゼックの性質上、やりすぎたのだと思っていた。だがアルウィナは、二度とふたたびボーゼックを見ることはないだろうと喜ぶただ一人の人間だった。約束通り、彼女はマトリカの埋葬後、バーダックを家に連れて帰った。
彼女は、もし次にバーダックが父親を見たら殴りかかろうとするだろうし、制止するのが大変だろうと思っていた。しかし、少年の心が傷つけられたという素振りを見せるだろうと考えていたなら、それは彼女の誤りだった。
その若いサイヤ人はまるで石になってしまったかのようにほとんど無表情になっていた。たとえサイヤ人であっても、それは良くない兆候だった。
食事にもあまり手を付けず、わずかな睡眠で、起きている間はたった独りでトレーニングを続けていた。
トーマとタケオはますます心配になっていった。彼のトレーニング中、トーマとタケオは床に座ってバーダックの様子を見ていた。
バーダックはもう3時間も空中にそうしていた。汗が顔から滴り落ち、胸が呼吸で激しく上下していた。しかし止める様子はなく、トーマは眉をしかめた。
「そろそろ止めさせないと」彼は言った。
「大丈夫だろう」タケオはきっぱりと言った。「あいつは、辛い事をたくさんくぐり抜けてきたんだ」
「だけど心配だ。マトリカが死んでから、バーダックはまるで石みたいだ。自分の周りの誰からも、何からも、完全にシャットアウトしてるんだぜ」
「あいつは、まだすごく悲しいんだよ」
「なあタケオ、この2週間でバーダックが暴れたり、泣いたり、そんな感じの素振りを見たことがあるか?」
タケオは寄りかかって、静かに注意深く考えてみた。彼の双子の兄弟の言う事は正しかった。バーダックは痛みも怒りも、ほかのどんな感情も示さなかったので心配になった。双子たちはバーダックが再びトレーニングを開始するのをただ見上げていた。
「あれじゃほとんど自分を追い詰めてるよなあ」
「このままじゃあいつ・・・」
「ストップ、トーマ。そんなことない。バーダックはもっと強いやつさ」
「だけどどんなに強いサイヤ人にだって限界があるぜ」
そのうち、もう一つのトレーニングを完了してバーダックは地上に降り立った。3人の少年たちは夕食のために家に戻った。
夕食のテーブルでは、アルウィナは夫と息子たちががつがつと典型的なサイヤ人の振る舞いで食事をするのを見ていた。しかしバーダックは、わずかに自分の食べ物をつまむだけだったのが、アルウィナには気がかりだった。
少年は遠くにいるように見えた。彼女にはその理由が分かっていたが、息子たちと同じように心配していた。彼女も、それでもまだバーダックの様子を見ていたが、この食欲の欠如よりも気にかかる事があった。今の所はしかし、まだ注意深く彼をただ見守ることにした。
その夜の夕食後、アルウィナが見ると子供たちはぐっすりベッドで眠っていた。トーマとタケオは二段ベッドで、タケオが上段、バーダックは寝袋に入って床で眠っていた。双子たちは、いつか向き合う敵を夢に見ながら寝息をたてていたが、アルウィナが気になったのは子供たちではなくバーダックだった。
その孤児となったサイヤ人の少年は、明らかに悪夢のせいで寝返りばかりうっていた。
その様子を見ていると、ベインが背後からやってきて彼女の視線の先を見た。そしてバーダックの酷い様子を見ると深いため息をつきながら言った。
「子供があんな風になるとはたまらんな」ベインの声は低く静かだった。
「あの子はこんな目に遭うべきじゃないわ」アルウィナは答えた。「私たちサイヤ人は、もともと暴力的な傾向はあるけれど、自らの身体に向けてのものじゃないわ。ボーゼックは自分が何をしたか、分かってないのよ」
ベインは答えなかった、答える必要がなかった。サイヤ人が妻や子供に、ボーゼックがしたような行いをすることがあるなどとは考えることができなかった。
「心配だわ、ベイン。バーダックは心の傷を表そうとしていない。サイヤ人は表に感情を出さないことが多いけど、彼は子供よ。あの子は自分の感情を押し殺す手段をもっていないわ。少なくとも爆発するべきよ。」
「いつかはそうなるだろう。このまま自分の道を進むことができる限りはな。」
「そうよね。」
しばらくうなされていた後、やっとバーダックは眠り、アルウィナの顔に笑顔が浮かんだ。
「あの子はいい子だわ。マトリカはあの子の世界を考えていたのね」
「彼女は、一人でバーダックをここまで育て上げたんだ。最初の予想よりずっと強く。マトリカの才能を受け継いで、強い覚悟のあるリトル・ガイにね。」
「ボーゼックには、それが理解できなかった。私たちで、彼女の仕事を最後までやり遂げることができればいいわね」
そうしてアルウィナとベインは寝室へ戻っていった。
数日後、トーマはなぜかいつもより少し早く目が覚めた。タケオは上のベッドで寝息をたて、父は隣の部屋でいびきをかいていた。
目を開けてあたりを見回すと、家は昇ってきた朝日に照らされ始めているところだった。トーマは毎朝、バーダックを確認するために振り向いて身体を伸ばした。彼は親友をチェックしていた。いつもの朝は、彼の横でうつ伏せになり横たわっていたが、今朝は変だった。
バーダックは何処にもいなかった。
彼の急ごしらえのベッドはからだった。不審に思って立ち上がると、バーダックの戦闘服が無くなっているのに気付いた。バーダックがどこに行ったのか誰でも分かることだった。心配になり、トーマは服を着て将来のチームメイトの後を追った。
トーマやタケオ、バーダックたちはまだ子供だったのでスカウターの使用は許可されておらず、バーダックを見つける事は容易ではなかった。彼はその後、あちこちのトレーニングセンターを回って部屋中を順番に探し回なければならなかった。
自宅から一番近いトレーニングセンターや、2番目にも来てみたが誰もいなかった。しかし3番目に着いたとき、彼は照明がついているのを見つけて中に入ってきた。するとすぐに誰かのトレーニングをしている物音が聞こえてきた。
トーマが聞いた声、それはバーダックだった。彼は慎重にその闘技場のドアの所まで来ると、そっと様子をうかがった。
すると拳でターゲットを攻撃する若いサイヤ人、バーダックのすさまじい叫び声が彼を出迎えた。ターゲットは衝撃力で破壊された。トーマは言葉を失った。 その叫び声には非常に大きな怒りや憎しみ、痛みがあった。それは本当に恐ろしい光景だった。
トーマはバーダックの怒りが彼自身に限りなく激しく向けられているのを見てショックを受けた。トーマは口の中がからからに乾き、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。
彼の親友は最終的にため込んだ怒りを吐きだそうとしているのだったが、それは良くない光景だった。
その攻撃はほとんど破滅的だった。そのペースで打ち続けて、自分自身を殺すつもりだった。
ついにトーマはそれ以上我慢できなくなり、バーダックが標的に向かってエネルギー・ブラストを放とうとした瞬間空中に飛び込んだ。
「バーダック!」彼は叫んだ。
突然バーダックが振り向きざまトーマの首をつかんで腕をあげ手にエネルギー・ボールを発生させた。トーマはバーダックが本気で怒り睨み付けているのを見て凍りついた。
「バ、バーダック、落ち着け!」トーマが叫んだ。「俺は何もお前を傷つけたりしない」
「ここで何をしてるんだ、トーマ」バーダックが質問した。
「お前を捜していた。そしたらここでお前が自分を痛めつけてるのを見つけたんだ」
「俺は平気だ!」
突然バーダックは手荒くトーマを突き飛ばすと背中を向けた。トーマは仕方なく立ち去ろうとしたが、バーダックをこんな風に一人残していくことはできなかった。
彼の親友には、助けが必要だった。彼自身そう望んでいなくても。
「こんな事を続けていたら、おまえ死ぬぞ?バーダック」
「どっちみち誰かが治してくれる」
「俺たちが治す。お前の母さんもそうしただろうさ」
まるでバーダックは自分の感情を抑えようと闘っているかのように動揺していた。
「あの野郎がおまえの母さんにしたことは許せないことだ、」トーマは言った。
「しかしそれはお前のせいじゃない。バーダック、絶対にお前のせいじゃない。ボーゼックみたいな頑固野郎は、何が何でも自分勝手にやりたいだけなんだ」
「母さんは俺を守って死んだんだ。俺さえいなければ・・・」
「違う、バーダック。マトリカはそうしないといけなかった。もしお前じゃなくても、よその子供であっても、マトリカはそうしていたさ」
闘技場は静まり返り、トーマはただバーダックのこわばった背中を見つめていた。
そうして、心の底の感情が一気にバーダックを押し上げ溢れ出し、その若いサイヤ人は泣き始めた。トーマは、彼が腰をおろすまで彼が悲しみに沈むのを見ていた。バーダックは膝をつき、闘技場に響く声を押し殺して泣いた。トーマが彼の隣に降り立った時、彼は握りしめた拳で地面を叩き始めた。トーマはバーダックの隣に膝をつき、彼の背中をそっとさすり始めた。
「もういい、バーダック」トーマは励ました。「全部吐き出しちまえ」
「・・・なぜ?なぜこんな事になったんだ、僕が何をしたって言うんだ」
「何も。俺を信じろ、大丈夫だ」
「母さんは僕のすべてだった、死んでしまって、どうしたらいいんだ・・・」
トーマはしばらく考えた。
「分からない。俺にはこんな経験がないんだ」
少年たちが床に座っていると、足音が聞こえてきた。トーマが見上げると、彼の母親がドアのところに立っていた。
アルウィナはトーマが家を出た後すぐ目が覚めていた。二人ともいなくなったので、子供たちを捜すために来たのだった。彼女は、バーダックの泣いている様子を見てため息をついて二人の所にやって来た。
「あなたのお母さんは、あなたをできる限り鍛え上げて、あいつの間違いを証明しようと決意したのよ」彼女はバーダックに言った。
「でもそれは自分自身を痛めつけること無しに、あなたはマトリカの遺志を継ぐべきなの。お母さんがあなたに与えようとした人生を生きるのよ。あなたが居たいだけ私たちと一緒にいていいから、もっと強くなるの」
バーダックは、アルウィナの思いやり深い目を見上げた。よく見ると、彼女の瞳は昔よく見たことのあるような、とても親愛に満ちたものだった。それは強くたくましくあるようにと、バーダックに希望を与えてくれていた。
そうして涙が乾いたあと、三人のサイヤ人は朝食の待つ家に戻っていった。
マトリカの息子の行く先には、まだ不確かな未来がそこにはあった。
(6: Bardock's pain)
|